9月15日のニュースリリースで、星野リゾートが「旧奈良監獄」を高級ホテルとして生まれ変わらせると出た。
「独房感残しつつラグジュアリーに」がコンセプトのようだ。
星野リゾートのサイトから↓
「2026年春開業予定。星のや9つ目の施設は国の重要⽂化財を活⽤した、日本初の監獄ホテルです。明治政府が監獄の国際標準化を⽬指して計画し、明治41年に完成した五⼤監獄の⼀つが「旧奈良監獄」。象徴的な⾚れんが造の建物は、歴史的価値が⾼く、意匠的にも優れた近代建築です。世界に誇る歴史・⽂化的背景持った明治時代の名建築で、ラグジュアリーな滞在を提供します。」
私は学生時代の4年間を奈良市内で過ごした。
4年間濃密な時間を過ごした奈良は、生まれ育った地元よりも思い入れがあると言っても過言では無い。
2008年に大学に入学してすぐは毎日のように奈良市内を探検していた。
当時はお金のない学生らしくバスやタクシーを使うこともなく専ら徒歩。
まずはベタに東大寺周辺を散策していた。
方向感覚も土地勘もほぼない18才の私は体力だけはあり、東大寺から離れてなんとなく歩いていたら迷子になってしまった。
そこで突如目の前に現れた赤煉瓦作りの立派な建物がまさにこの「旧奈良監獄」だった。
当時はスマホもなく、その場で即座にネットで調べることもできず「なんだろう、立派な建物。威圧感があるな」程度の印象。
後で調べて「少年刑務所」であることがわかる。
刑務所ってこんなに立派な門構えなのだな、と初めて刑務所を見た自分は思うのだが、これはある種特別な部類で「5大監獄(明治時代に近代化を目指して作られたゴシック調というか洋風の建物)」の一つだったということもわかる。
地図で見てみると、東大寺からほど近くで、歩いて行けない距離でもないなと改めて思った。奈良拘置所も近くにあったのは知らなかった。
この旧奈良監獄は2017年まで開庁していたらしい。
10年以上の時を経て、こうしてニュースになってあの時の記憶を少し思い出した。
そういえばこの迷子になった日、どうやって自宅に帰ったか覚えていない。
旧奈良監獄から自宅までゆうに5kmはあっただろうけど道行く人に聞きながら、余裕で「徒歩で」帰ったのだと思う。