現役感覚の高齢者と話す機会を持つ

月に一度程度、前期高齢者と分類される方と一時間程度話す機会がある。先方とは学生時代の研究室、教授から紹介された繋がりで、かれこれ10年以上の付き合いになる。

 

向こうは大手企業を定年退職した後の今でもコンサル業を続けていてまだまだ現役。

会社人生数年、しかもそのうち半分は育休で社会から離れている私のような一般人と話してくれるなんてありがたいことだ。

 

普段の話し相手が幼稚園のママ友や夫、実家の母、この3パターンになっている自分としてはたまの「異文化」に触れる貴重な機会となっている。

 

少子化問題年金問題ジェンダー問題などをきっかけに認識の違いがあると「老人」と「若者」の間で分断が進むと聞こえてくるが、その人と話す度に、もう実際に分断はされていると実感する。

 

今の少子化問題について、私としては。このまま少子化が進んだ先に「経済」「福祉」に心配がある。少子化が進めば単純に(子どもを産む事ができる人口)が減り、それに加えて高齢出産の流れが続けば生涯出産人数は減り続け、生産人口は加速度的に減る。

ある程度の仕事はAIやロボットを駆使して生活維持ができたとしても消費者が減ることは確実。消費者が減ると少なくとも日本人向けの売り上げは減る。すると日本国内の経済が上向くことはない。

当然人口が減るので消費税はじめ税収は減る。そのわずかな税収でやりくりするには現行同等の福祉サービスを賄えなくなる。

少子化対策はそれらを少しでも抑えるためにも急務だと。

 

だが、前期高齢者のその人は言う。

少子化がそんなに大変かな?」と。

このままでは日本が消滅すると言うが、せいぜい5,000万人程度で下げ止まるのではないか。

 

これを聞くと色々と破綻してそうで?となったが。なるほど、消えた5,000万人は高齢者だろうから、高齢者が駆逐された世界では医療費や福祉がそこまで必要ではなくなっているのかも。

私は将来数十年を想像しうる世界から危機感を感じるのだけど、もっとずっと先の未来でそれなら面白い世界線だと思った。

 

ただ、高齢者としてはあと何十年も生きないからどうも現実味がなくて他人事だった。

かと思えば働けるのに働かない若者がいる、彼らは我々が納めた税金で福祉サービスを享受していると。そんな若者の多くが生活保護をとっていると。

私は、働いたところでせいぜいアルバイトのように特に何か生み出すわけでもないのに時間を消費するならば(アルバイトでも働くことに意義がある!と言うならどうしようもないが)、お金のことは心配せず創作活動や趣味や自己実現するとか、のんびり生きたらいいのでは?と思うのだけど。

ダラダラしているだけと思われるかもしれないが、人は、暇になると何かやってしまう生き物だから。

現に私も育児の合間が暇でこうやってブログを書いてしまっている。

 

働かない若者=何も生み出していないと決めつけている点からして高度経済成長を駆け抜けてきたその人には意味不明なのだろう。