幼少期の記憶 「21世紀こども百科」をひたすら読む

30年前、自分が小さい頃に、家には1冊だけ子供向けの図鑑があった。

それが小学館の「21世紀こども百科」。

全くと言っていいほどとは言わないが、教育に無関心寄りの関心レベルな両親だったので、教育は学校などの公的機関に任せてほぼ放置スタイル。

自分はひたすら知的好奇心に任せて幼少期を送っていた気がする。

庭に出て虫を捕まえてみて、その虫を観察する、その虫の名前を親や祖母に聞くんだけど、教えてくれないので自分で調べるしかない。

そこで、よく使ったのが小学館の21世紀こども百科だった。

細かい字だけれど、詳しくそれぞれの事について記されていて、特に小学校低学年位の子が気になる項目をしっかり網羅している。

例えば、あさがお、ひまわり、空、とか。

行動範囲がせいぜい家と近所の公園程度になってしまう低学年の子のために庭に出れば目に入るものについて、重点的に載せられている気がする。

 

もっと教育熱心のご家庭だと、これ以外にたくさんの書籍を買い与えていたかもしれないけれど、何せ我が家にはこれ1冊だけだった。

だから、何度も何度もこの図鑑がボロボロになるまで読んで、この図鑑に載っている事項を知識として小さい頃に得ていた。

それにしても本を買い与えないまでも、図書館に連れて行って本や絵本を借りてくれてもいいだろうに、それもあんまりしてくれなかったような。

幼稚園から帰ってきた後、小学校から帰ってきて宿題終わらせて暇になった後、読んでいたのは、この百科事典と祖母が使っていた完全に大人用の国語辞典。所々ふりがなこそあれ、字しか載っていなくて。

何年も経ってから小学校の図書館で子供向けの事典の存在を知ってページを開いてびっくり、こんなに易しい表現で、カラーで、イラストつきだなんて!となった。

 

幼児教育と言うほど我が家では大した教育を熱心にしているものではないけれども、多分きっとこれが幼児教育の一環なのだろうと思う子どもとの過ごし方は、「図鑑」を一緒に眺めることなのかなと思う。

この頃は子供向け図鑑もラインナップが充実していて素晴らしい。

いや、30年前にももしかしたら充実していたけれど知らなかっただけかも。